パンツの裏地は何のためにある?役割と生地の種類を紹介

パンツには裏地がありますが、何のためにあるのかまでを知っている方は少ないのではないでしょうか。

あまり目立たない裏地ですが、実はかなり重要な役割を担っています。

今回は、パンツの裏地は何のためにあるのか、その役割と裏地に使われる生地の種類を紹介します。

裏地の役割を知りたい方、または裏地でパンツを選びたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読んだ後に、自分の持っているパンツの裏地を確認してみると面白いかもしれません。

パンツの裏地の役割とは

パンツ 裏地

パンツの裏地には、さまざまな役割があります。

  • 表生地の補強
  • シルエットの維持
  • 下着の透け防止
  • 静電気の抑制
  • 肌のべたつき軽減
  • 保温性の向上
  • 着脱しやすくなる

裏地の役割を知れば、次にパンツを購入する際に、今までにはなかった視点でパンツ選びができるようになります。

ここからは、主な役割を7つ紹介します。

表生地の補強

パンツに使われる生地の中には、表地が薄手であったり軽量化されたりしている生地が使用されている場合があります。

その場合、摩擦などで生地を痛めてしまう可能性があります。

生地を痛めてしまう原因になる摩擦は、パンツと素肌が触れ合う部分で発生することが多いです。

そこで、裏地を1枚追加することで単純に布が2枚になり、素肌との摩擦を防ぐことができるため、表生地の補強になります。

また、生地を痛める原因は摩擦だけではなく、生地に付着する皮脂や汗にもあります。

しかし、裏地があれば皮脂や汗が表生地に付着しないので表生地の保護が可能です。

シルエットの維持

表生地に使われる生地によっては、素肌との滑りが悪い場合があります。素肌との滑りが悪い場合、表生地のヨレやシワに繋がる可能性が高いです。

また、生地が表生地と裏地の2枚になるため、パンツのシルエットが崩れにくくなります。

パンツのシルエット維持が目的なのであれば、ある程度のコシやハリのある裏地を選んだ方が、よりシルエット維持の効果が期待できます。

下着の透け防止

パンツの生地が薄手やシフォン、レース生地の場合、裏地が無ければ下着が透けてしまう可能性が高いです。

女性にとって、下着が透けてしまうのは絶対に避けたい事態でしょう。

裏地があるパンツの場合は、薄手の生地だったとしても単純に2枚の生地があるため、下着が透けにくくなります。

逆に、あえて裏地を透けるようにしたデザインのパンツもあり、おしゃれの1つにもなります。

しかし、裏地があるからといって絶対に下着が透けないわけではありません。

パンツと裏地の色や下着の色の組み合わせによっては裏地が合っても透ける場合があります。裏地があるからと安心するのではなく、出かける前に一度透けていないかのチェックは必要です。

静電気の抑制

特に秋冬ですが、服を脱ぐ際にバチバチと静電気が発生する場合が多く、嫌な思いをしたことがある方も多いでしょう。

また、静電気が発生してしまうと、素肌にパンツが張り付くといった不快感もあります。表生地の種類によっては、静電気が発生しやすい生地があります。

パンツで多く使われている生地で静電気が発生しやすいのは、ウールやカシミヤ、レーヨンなどです。

そういった表生地の場合、裏地に静電気が発生しにくい、または抑制してくれる生地を使用すればあの不快な静電気を抑制させることができます。

肌のべたつき軽減

表生地に使われる生地によっては、吸湿性があまり高くない場合があります。

夏など汗をかく時期に吸湿性があまりない生地のパンツを着用していたら、パンツと素肌の間での蒸れべたつきがストレスになってしまいます。

敏感肌の方であれば、肌トラブルに繋がるかもしれません。

それだけではなく、蒸れて肌がべたつきパンツがくっついてしまうと、動きにくく不快に感じるでしょう。

裏地のあるパンツの場合、生地が2重になってしまうので余計に蒸れてしまうと思うかもしれませんが、実は少し違います。

裏地に使用する生地に吸湿性や速乾性が高い生地を使えば、生地が2枚になっても蒸れず、さらっとした履き心地を維持できます。

特に、コットンなどの素材であれば湿気を吸収するだけではなく、放出する効果もあるため、裏地にはよく使われる素材です。

保温性の向上

裏地が無い場合は、暖かい空気がすぐに逃げてしまうため、秋冬ではかなり寒く感じるでしょう。

しかし、裏地を付けると、表生地と合わせて2枚になるため、体温から発生する暖かい空気を逃がしません。

保温性が向上し、秋冬の寒い時期でも暖かく過ごせます。

この裏地に起毛生地を選ぶと、他の裏地よりも保温性が高いためより暖かいです。

注意点としては、起毛生地は他の裏地よりも分厚い場合があり、パンツのシルエットによっては太くなってしまったりごわつきの原因になってしまう可能性があるという点です。

パンツのシルエットを重視したい場合は、この点に注意してください。

着脱しやすくなる

裏地に使用されている生地の多くは、つるっとしたなめらかな肌ざわりである場合が多いです。

その理由は、パンツを着脱する際に、素肌と生地の間の摩擦や引っ掛かりを防ぎスムーズに着脱できるようにするためです。

特にデニム生地のパンツなど、硬めでストレッチ性の無い生地が使われるパンツの場合、着脱は少し大変です。

しかし、滑らかな肌触りの裏地があれば、硬い生地のパンツでもストレスのない着脱が可能になります。

パンツの裏地が付いている場所

パンツ 裏地

パンツの裏地に関しては、ウエストから裾までの全体に裏地が付いている総裏が基本です。しかし中には、一部のみ裏地が付いているパンツもあります。

  • ウエストから膝下部分まで
  • パンツの前のみ
  • 膝裏のみ

裏地を付けるには、実質パンツ2枚分の生地が必要になります。

そのため、比較的安価でパンツの販売をしたい店では、販売価格軽減のためにどうしても補強したい部分のみに裏地が付けている場合があります。

パンツの裏地に使われる生地の種類

パンツ 裏地

最後に、パンツの裏地によく使われる生地を5つ紹介します。

  • 摩擦に強いポリエステル
  • 吸湿性が高いレーヨン
  • 最高級裏地シルク
  • 肌に優しいコットン
  • 保温性の高いウール

それぞれに特徴があるため、裏地をつける目的や裏地の役割により、どの生地が選ばれるのかが決まります。

以下で詳しく解説していきます。

摩擦に強いポリエステル

摩擦に強いのが化学繊維のポリエステルです。

摩擦に対しての耐久性があるため、パンツの着脱の際や穿いている時の素肌との摩擦にさらされる時間が長いです。

裏地は、仮に破れてしまっても見た目に大きな差はありません。

しかし、履き心地には大きく影響するので、摩擦に強いポリエステルを選べばより長持ちして穿き続けることができます。

ポリエステルの裏地は安価であるため、既製品の衣類に多く使われています。

デメリットとしては、吸汗性が低く静電気が発生しやすい点が挙げられます。最近は、防静電気のポリエステルもあるようですが、天然繊維には劣ります。

吸湿性が高いレーヨン

レーヨンとは、木材から繊維素を採取し化学処理を行って作られた再生繊維です。吸湿性が高く、汗をかいてもさらりとした状態を維持してくれます。

また、静電気が起きにくいため、静電気が発生しやすい秋冬用の衣類で使われる場合が多いです。

しかし、デメリットとして引っ張られる力に弱いため、裏地が破れてしまう点が挙げられます。

また、シワになりやすいため、濡れた状態で放置してしまうと裏地だけしわが寄ってしまい、穿いたときにごわつきなどを感じる場合があります。

最高級裏地のシルク

シルクは裏地の中でも最高級品になるため、オーダーメイドのスーツなど比較的高価格帯の衣類の裏地として使われます。

滑らかな肌触りの良さや保温性の高さ、静電気が起こりにくいなどの特徴があります。

そんなシルクのデメリットは、価格が高くシワになりやすい点や、摩擦に弱い点などです。

裏地としての着心地はかなりいいシルクですが、取り扱いやメンテナンスに関しては繊細な部分があります。

また、購入時に高額になりやすく、他の素材と比べてお手入れが比較的難しいため、自宅での洗濯ではなくクリーニングに出すなどの手間が必要になるでしょう。

肌に優しいコットン

裏地はパンツを穿いている限りずっと肌に触れ続ける部分なので、肌に優しい素材にこだわる方もいるでしょう。そんな方におすすめなのがコットンです。

コットンは天然繊維で作られており、敏感肌の方でも肌トラブルが起きにくい素材だといえます。また、通気性と吸水性に優れているというのも大きな特徴です。

しかし、デメリットとして乾きにくさが挙げられます。

裏地のため、洗濯して干しても、風通しが悪く乾くまで時間がかかります。梅雨などの多湿の時期であれば、雑菌が繁殖する可能性も高いです。

また、大量の汗をかいた場合、吸水はしてくれますが速乾性がなく乾かないため、蒸れや肌トラブルの原因になったり、汗臭い原因になったりする場合があるので、注意してください。

保温性の高いウール

ウールは、他のどの素材よりも高い保温性を持っています。そのため、秋冬用の裏地として使われる場合が多いです。

ウール素材の起毛生地であれば、より暖かく着続けることができます。また、吸湿性や気化熱などを利用し、夏は涼しく着用することも可能です。

一方、ウールのデメリットとして毛羽だちしやすいという点が挙げられます。一度洗濯をしてしまうと毛玉ができやすく、履き心地の悪さにも繋がってしまいます。

そのため、実際に裏地として使われる際には、ウール100%ではなくポリエステルとの合繊が使われる場合が多いです。

まとめ

今回は、パンツの裏地は何のためにあるのか、その役割と裏地に使われる生地の種類を紹介しました。

今まであまり注目したことがない裏地かもしれませんが、実はかなり重要な役割を持っていることを知っていただけたのではないでしょうか。

裏地に使われる素材には、さまざまな特徴やデメリットがあります。次回パンツを購入する際には、裏地の役割や特徴を意識しながら選んでみましょう。

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